重力に任せて絵の具を垂らすことで生まれたアート作品「mono eye-red-」

komotoのアート作品monoeye_red

アートに関しての記事というのは、ギャラリーでの展示に関することや、展覧会などの情報、キュレーターが解説しているものなどがありますが、どうも作品自体をアーティスト自身が解説しているものが少ないように感じます。

理由は、アーティストが文字を書くことで伝えようとするのではなく、感じてもらいたいという想いがあるためなのかもしれません。
記事を書く時間があったら作品について考えて、新しいものを創り出そうと考えているからかもしれません。

そこをあえてやってみようと思いました。

なので、今回は画像のアート作品「mono eye」についてです。

mono eye が生まれた理由

これまでキャンバスやスケッチブックなどの平面に絵を描いてきましたが、

色を塗る際にどうしても筆跡が残ることが気になっていました。

筆跡を残さずに、人の手が入っていることを感じない

美しい面を残したままに描くことはできないかと考えました。

昨今海外で人気となっているFluid Art (フルイドアート)というものがありますが、求めるのは、あれと似たような作品になります。

画面に筆や手を触れることなく作品を仕上げる工程は、まさに私が求めている手法です。

mono eye を製作した時期は2010年頃。その頃はまだFluid Art (フルイドアート)のことなんて知りませんでしたが、なんとなく近いことをやっていたと思います。

なんとか画面に触れることなく、筆跡を残さず、自然な重力に任せて広がるように描くことはできないか。

その手法を考え続けてたどり着いたのが アート作品 mono eye です。

美しい曲面を作り出すために

FRPを使うようになったのはこの時からでしょうか。

一人暮らしだった当時、お金と時間に余裕があったので、なかなかのお金をアート製作につかっていました。

作りたいものを作る!それが一番楽しくもあり苦しくもある時間でしたので、毎日アートとデザインのことを考えて過ごしていたことを思い出します。

アート作品というものは、色あせを極力抑えられるようにしなければいけませんし、すぐに壊れてしまうような弱い材質のものは、あまり良いアート作品とは言えません。

また、運搬等をする際に容易に動かせるというのも重要です。

FRPは船や家具などで利用されている素材で、ガラス繊維を樹脂で固めたもので、強度に優れ、比較的軽量。作り方によっては雨風にも耐えられます。

キャラクターを3D化してFRPで作成する看板屋さんも多く存在します。

繊維強化プラスチック(せんいきょうかプラスチック、英: Fiber Reinforced Plastics)またはFRP(以下FRP)とは、エポキシ樹脂やフェノール樹脂などに、ガラス繊維や炭素繊維などの繊維を複合して強度を向上させた強化プラスチックである。
FRP wikipedia

この素材であれば求める強度や重量をクリアできるうえ、液体が自然に流れてくれる曲面を作成できると考えました。
それにより、自分の描く行為による表現だけではなく、画面に触れることもないので、より自然に近い描き方ができるのではないかと考えました。

この先はどうなるのか

komotoのアート作品monoeye_blue
komotoのアート作品monoeye_yellow
この作品は全3色で展開。
1色は知人に譲り、もう1色は実家の両親にプレゼントしましたw
残りは1色(YELLOW)のみとなり、今後もまた作製したいですね。
サイズは直径70cmくらいのものですので、
今度はもう少し小さなサイズを検討中。
komotoのアート作品monoeye_redの表面

また、曲面を流れるアクリル絵の具は、色が混ざり合うことで、想像を超える美しく自然なグラデーションを作り出してくれるので、
あらゆるオブジェにこの手法を使えば、新しいコンセプトで作成することができそうです。